第1話 貴族の領分、メイドの本分

◆文化と想いを追体験する
歴史と伝統を誇るイギリス―スコットランドとの国境沿いに、そのマナーハウス(貴族の館)はあった。“マンダーストン屋敷”と呼ばれるそれは、現代から百年前、エドワード朝時代そのままに刻を止めた壮麗な館。この館に20人のイギリス人が集められた。
彼らは歴史の体験者となるべく、8000人もの応募者の中から選ばれた栄誉ある“素人”。
貴族、執事、メイド…莫大な制作費によって忠実に再現された衣裳に身を包み、期待と不安に胸を高鳴らせる彼らに、前代未聞のテーマが渡される。
それは、
【百年前の英國を、3ヶ月間ロールプレイングすること】

◆百年前の世界。
百年前の英國。それはマンダーストン館と同じ、エドワード朝を生きるということ。彼らに下されたルールは、当時の社会そのものを示すキーワードでもあった。
【徹底した上下関係(階級社会)で生きねばならない】
まるで階段の上と下のように、その世界は明確に区分されていた。
貴族として館の「階上」に住まうクーパー家にとって、百年前は楽園。
末っ子のガイの言葉を借りるなら
「何でも言うことを聞いてくれる人がいるって最高!」。
けれど、幸せと不幸せはいつだって背中合わせ。
誰もが与えられた身分に満足できる訳じゃない。
その証拠に「階下」の住人、メイドの中でも一番重労働な“スカラリーメイド”のルーシーが、あまりの仕事の辛さに第一週目早々に館を脱走してしまう!
















