
◆時代は廻る
「実のところ、私はそれほど21世紀が好きではないわ。本当の自分は21世紀の人間じゃないのよ。今、私達はエドワード朝時代の人々のように考えている-エドワード朝時代人の最後の生き残りだわ」(レディ・オリフ=クーパーの言葉)
マナーハウスでの三ヶ月が終わろうとしていた。館を支配する、享楽的なエドワード朝時代の空気。
「使用人の舞踏会」
初めてご主人様が「階下」の部屋を訪れ、普段触れなかった召使いたちの声をはじめて意識する。全ての使用人に愛されるご主人様でいるのは、難しい。
それでも、執事とご主人様の間には、否定することのできない強い信頼関係が芽生えていた…。
次の朝、一家は使用人たちよりも一日早く館を去る。
ミスター・エドガーとサー・ジョンの、そしてレディーズメイドのミス・モリソンと夫人の固い抱擁。
彼らの頬に伝うのは、まぎれもない信頼と忠誠の涙だった。

◆還ってゆく場所、戻される時間。
家に残された、使用人たち。それぞれの思いを胸に、屋敷にさよならを告げる。第1ハウスメイドのレベッカは、最後の廊下モップ掛け。
フットマンのチャーリーは執事の小言を心配することなく、正面玄関の階段部分に座ってみる。禁じられた恋人たちのケニーとエレンも、今では祝福された若い恋人たち。
つい昨日までは首にされるほどの罪も、今ではただの笑い話。
彼らがエドワード時代に生きているならば…男性は戦争へ。
メイドたちは女性の権利を手に入れ、新たな世界に歩き出していくだろう…。
そして、シェフがキッチンの時計を止める。
一人ひとりがあるべき未来へ還っていく中。
最後に館を去るミスター・エドガー。
その瞳の奥に見るものは…?

















